機能性ディスペプシアの鍼灸症例集
症例1、1年前から気食欲不振、胃が重い
患者情報 30代女性
期間 2020/11~2021/1
回数10回
症状
一年以上前から常にある膨満感と吐き気、少し食べるとすぐお腹が張ると言う症状に悩まされている。
近所の病院ではストレス性の胃炎と告げられ治療を続けたが改善が見られず、大きい病院で診察を受けたがやはり異常なし、機能性ディスペプシアと診断され「アコファイド」を処方された。
内服を続けているが食後の吐き気、膨満感、胃が重い感じが一年続いた。
固形物を食べると症状が強く出るためお粥などを食べていた。それでも調子が悪い時は水を飲んでも胃の不調が現れる。
数ヶ月前には自律神経の改善ができるという整体にも通ったが改善が見られない。
施術と経過
常に胃の重さを感じている状態。お腹の硬さを見るとみぞおちと鼠径部に押すと痛む場所を発見。
背中や肩も緊張が見られた。
この緊張を緩めるため膝のツボ、ふくらはぎのツボ、腕のツボに鍼をし10分置鍼。
するとお腹を押した時の痛みは軽減。
背中のツボにも鍼を行い施術を修了した。
2回目、前回の施術後食べれる量にあまり変化はない。
お腹を触ると再びみぞおちの硬さが見られたため前回と同様の施術を行う。
施術後なんとなく胃の重さが減った気がするとのことだった。
4回目、3回目の施術後お腹が少し空くようになりお茶碗に軽く一杯のご飯を食べられるようになる。
7回目、以前は春雨スープやお粥ばかりだったが、施術開始前と比べて食事を取れるようになっているとのことだった。
試しに好物だった牛タンに挑戦してみたところ少量だが食べることができた。
常にある胃の重さも感覚として半分くらい減っているとのことだった。
10回目、お腹の硬さは以前より柔らかくなり、押しても不快感が減っているとのことだった。
まだ本調子ではないが食事も比較的取れるようになってきた様子だった。
まとめ
胃の重さも減っているとのことから施術を月一回に切り替えメンテナンス施術を受けていただいている。
初めの頃は日によって調子が変わるようであったが最近では安定してきているとのこと。
物を食べれない、すぐ満腹になってしまうという状態では強くストレスを感じる。そのストレスが胃腸に悪影響を与え悪循環になる。
胃の不快感が減ったことで少量ずつでも食べれるようになったことから体重も増えているとの事だった。
この症例ではお腹の硬さを緩め背中の緊張を解くことで自律神経が整い胃の働きが徐々に回復していったと考えられる。
途中で自主的にお灸を試してみたいとのことからおすすめのツボをお伝えし継続していただいたことも改善に繋がったと思われる。
※お客様個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません。
症例2、胃痛と胸焼け、ゲップが続く
患者情報 40代男性
期間2021/1~2021/2
回数6回
症状
仕事のストレスで胃の不調が起こり始めた。その後、比較的ストレスの少ない環境に移ることができたため胃の不調が楽になると考えていた。
しかし胃の調子は良くならず、食べれなくはないが少量の食事で満腹になる。みぞおちの痛み、胃痛、小さいゲップが続くなどの症状も出てくるようになった。
ゲップが1日に100回以上出ることもあり辛い。
揚げ物が好物だったが食べると少量で悪化するため食べないようにしている。
食欲はあっても食べるとお腹が張る、胃痛、ゲップ、食後の胸焼けが起こるため食べる事への不安が強くなっている。
近所の内科や胃腸科に行った結果胃腸の状態に異常はなく、機能性ディスペプシアと告げられた。薬を飲み始めるとみぞおちの痛みが減り膨満感が薄れているような気がするが症状は残ったままで思もったような変化が得られていない。
施術と経過
お腹が張るとの訴えからお腹を触るとみぞおちとおへその下に緊張が見られた。
その部位を押すと不快感が強くなるとのことだったためその部位を緩める膝のツボとスネのツボに鍼を行った。
10分時間をおくと押された時の不快感は軽くなり、緊張も緩和し柔らかくなった。
2回目、初回の施術後残っていたみぞおちの痛み、胃痛が減っている気がするとのことだった。
再びお腹を触診すると緊張が見られたた硬さがある部位に関連するツボに鍼を行い時間をおいた。
4回目、みぞおちの痛み、胃痛がほぼなくなり食事への不安感が減ってきているとのことだった。
5回目、前回から一週間後の来院、好物だった揚げ物を食べても大丈夫だった。
6回目、前回から一週間後の来院。立て続けに揚げ物を食べると不調が出るとのことだったが、
頻回のゲップ、みぞおちの痛み、胃痛、食べるとすぐにお腹が張るなどの症状がほとんど出なくなったため施術を終了することとした。
まとめ
薬を飲んでも良くなっていかない場合他の原因も考えられる。今回の例では本人が自覚するほどみぞおちの硬さが見られた。鍼治療によりこの緊張を緩めることで胃腸の状態が調整され回復につながった。
辛い症状があっても食欲はある。という状態であれば回復は早いように思う。
※お客様個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません。