突発性難聴と顎関節症は関連がある?顎を緩める最強セルフ舌はがしを紹介

突発性難聴は顎関節症と一見関連がなさそうに見えますがとても関連が深い二つの症状です。
上のイラストを見ていただくとわかりやすいように顎関節と耳の穴はとても近い位置に位置しています。このイラストは正常な状態ですが顎関節症の悪化によって下あごが後ろに下がるとさらに耳に近い位置になります。とても繊細な耳の組織の付近で顎のクリック音などが発生すれば衝撃が伝わってしまうことは間違いありません。
この記事では突発性難聴と顎関節症の関係と顎の緊張を緩める舌はがしのセルフケアをご紹介します。
突発性難聴とは
突発性難聴とは急に片側の耳の聴力が低下する病気です。いきなり「電話の音が聞こえにくい」「会話をしていて相手の声が聞きにくい」という聴力低下を起こします。特に30歳から60歳の間でよく見られます。早期に治療を開始する必要があり早めに治療を開始できても病院で完治するのは全体の3割程度と言われております。
症状としては聴力低下以外に耳鳴り、耳の詰まり、めまい、等を引き起こします。症状の程度は様々で個人差があります。
突発性難聴と顎関節症はとても深いつながりがあり鍼で突発性難聴の治療を行う際もとても重要視するポイントです。次に、顎関節症と突発性難聴の関連について詳しく掘り下げていきます。
突発性難聴と顎関節症の関連
すべての突発性難聴と顎関節症が関連するというわけではありません。すでに顎関節症の症状をお持ちの方で突発性難聴を発症してしまった方は間違いなく関連があります。
- 口が開けにくい
- 開けると痛む
- 口を動かすと音がする
これらの症状があり突発性難聴を発症してしまった方は関連があります。
顎関節症のような症状がなくても
- 顎を動かすと耳の中で音がする
- 食事などで顎を動かしたとき耳の症状が変化する
- 痛むほどではないが顎周辺が凝ってる気がする
これらの症状があり突発性難聴を発症してしまった方は関連があるかもしれません。
顎関節周辺の筋肉が緊張することによる血流低下
顎関節の周辺の筋肉は主に側頭筋(そくとうきん)、咬筋(こうきん)、外側翼突筋(がいそくよくとつきん)、内側翼突筋(ないそくよくとつきん)の4つがあります。
それ以外にも口を動かすときに働く筋肉などさまざまな筋肉が顎を構成しています。
顎関節症を起こす原因の一つとして筋緊張が挙げられます。上記周辺の筋肉が緊張して硬くなることによって顎関節の動きを制限したり、痛みを起こします。
これらの筋肉は耳の穴と近い位置にあり、コリを起こすと血管を圧迫して耳周囲の血流低下を招くこともあります。
顎周辺の筋肉が硬くなる原因の一つとして「食いしばり」や「噛みしめ」です。
人間の下の歯と上の歯がかみ合っているのは15分前後と言われています。
以外に短いですよね?上の歯と下の歯は2~3mmほど間隔があいているのが普通です。かみ合っているのは食事している時と会話をしている時です。
長時間、歯がかみ合っているとそれが癖になってしまい接触癖がついてしまう場合があります。接触癖が付く原因は過度な緊張やストレス、長時間のスマホ操作やPC操作などです。うつむく動作を長時間行うと接触癖が付きやすいと言われています。ですから長時間のスマホ操作や読書、ゲームなどは注意が必要です。
歯が接触しているだけで何が悪いの?
歯が接触していると筋肉が緊張してコリを作り顎関節症の原因となります。
試しに上記イラストの咬筋に手を当てながら歯を2~3mm浮かせた状態から軽く噛んでみてください。咬筋に少し力が入るのが分かります。
咬筋は歯を軽くかみ合わせただけでも働くのです。ですから歯を軽くかみ合わせているだけでもそれが長時間続けば咬筋の緊張となり顎関節症の原因になるというわけです。
顎を動かす筋肉は肩こり首コリに関連が深い
さらに上のイラストは舌骨下筋群と呼ばれる筋肉のイラストですがこの筋肉は下顎を動かすのに働く筋肉です。
見てわかる通り首や顎の付け根に位置し肩甲舌骨筋という筋肉は肩甲骨まで伸びています。
これらの筋肉の疲労は首コリや肩こりに直結します。肩こりや首こりと突発性難聴の関連についてはほかの記事でも記載しましたがとても関連が強いのです。
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顎関節症の悪化による耳への影響
顎関節症が起こると関節円板が前方に滑り出し圧迫を起こします。関節円板の圧迫が続くと変形を起こすため顎関節の動きはさらに悪くなり痛みやクリック音を強く出すようになります。
顎関節は耳の中耳や内耳と近い位置にあります。中耳には耳小骨と呼ばれる小さな三つの骨がありこれは入ってきた音を増幅させ、内耳へと伝える役割があります。内耳には「蝸牛」と呼ばれるカタツムリのような形をした器官があり、音を電気信号に変えて脳へ伝達します。
蝸牛は音を感じ脳に伝える役割を持っていることからわかる通り、多くの神経が集まって複雑で繊細な構造をしています。そのため顎関節に異常が起こると、振動や圧迫などが耳小骨や蝸牛に影響を与え、難聴や耳鳴りを引きこ起こす原因になります。
また顎の位置がずれると近くを通っている三叉神経に刺激を与えてしまう場合があります。三叉神経の一部は耳の領域にも影響するため、耳の神経や蝸牛に影響を与え、難聴、耳鳴りを引き起こす可能性があります。
突発性難聴と耳鳴り、顎関節症に悩んでいた方の症例
30代女性 郡山市在住
症状と状態
来院の2週間前から突然耳の聞こえが悪くなった。急いで耳鼻科にかかり突発性難聴と診断された。入院を勧められたが子供が小さいため入院はできず通院を選択した。10日ほどでステロイドの治療は終了したが聞こえは少し良くなった程度で右側で話されるとはっきり聞き取れない。
初めは右側の耳で音が全く聞こえない状態だったが、病院での治療後は声は聞き取れないが音が聞こえるようになった。「サー」や「ザー」というような耳鳴りが続いている。
また数年前から肩こりと顎関節症の症状がある。歯科医院で相談したところマウスピースを作成してもらい毎晩つけるようにしていた。
突発性難聴を起こす前は感じなかったが口を大きく開けると耳の中で嫌な音がするときがある。
噛みしめる癖があり気が付くと顎をかみしめている。
治療と経過
お体をチェックすると右側の顎の反応点が異様に硬く緊張しておりとても強い圧痛あり。
顎関節症は以前よりましになったがいまだに口を大きく開けると痛む。このことから肩のコリと顎関節の筋肉のコリを緩める必要があると考えた。
初めに顎関節に関連する、背中のツボ、手のツボ、側頭部のツボに鍼をした。すると口を大きく開けた時の痛みが減った。
次に肩こりを緩めて耳周辺の血流をよくするため、首のツボ、背中のツボ、肩のツボに鍼を行った。最後に「舌はがし」のセルフケアをお伝えした。施術が終わった後は何となく耳鳴りが軽減している気がするとのこと。
2回目
食事中の顎の痛みは軽減したが耳の症状は変化なし。初回と同様の施術に手のツボを追加した。
5回目
なんとなく家族の声がはっきり聞きやすい感じがして調子がいいとのこと。耳鳴りはあり。
8回目
耳鼻科で聴力検査を行ったところ聴力は改善していた。耳鳴りは以前より音量が軽減したが朝強いときがある。
13回目
耳に集中すれば耳鳴りがしている気がするがほとんど気にならなくなった。
気になる症状が改善されたため施術を終了した。
まとめ
突発性難聴が耳鼻科の治療で改善されなかった場合鍼治療がお力になれるケースが多くあります。当院が鍼で耳の治療を行う際は顎関節や鼻の症状、肩や首のコリなどをチェックし施術を行います。
今回のような顎の症状がある場合「舌はがしの」セルフケアはとても有効であることが多いです。舌はがしを行うと「顎が軽くなった」「顎の周りがすっきりした」というお声をいただきます。
もちろんこれだけで顎関節症が関連する突発性難聴が改善するわけではありませんが、上記で説明した通り顎の周辺の筋肉を緩めることは耳周辺の血流改善のためとても重要なことなのです。
その他突発性難聴の症例種はこちら
顎関節症と関連がある突発性難聴のセルフケアに最強舌はがし!
当院では突発性難聴だけでなく首コリがある患者さん、食いしばりがある患者さん、鼻炎の患者さん、などなど顎の緊張がありそうな患者さんには積極的に行っていただいているセルフケアです。
舌はがしの重要性:あなたの「舌」の位置は何番?
これは下の位置を示した図です。あなたの下の位置は何番ですか?
正解は1番です。「舌」本来はしっかり上顎についていなければなりません。
「舌」の働きは味を感じるだけではありません。
首から上で一番大きな筋肉は「舌」です。そう「舌」筋肉なのです。舌は筋肉で本来なら頭蓋骨を支える役割を持っています。
舌がしっかりと頭蓋骨を支え頭を安定させていれば問題ないのですが、舌が下がっているとそれができません。5,6kgもある重い頭部を本来なら支えるはずの「舌」がさぼってしまうと代償運動が起こります。
舌が下がって重い頭蓋骨を支えないとなるとその働きを補完するのは「食いしばり」や「噛みしめ」です。上記で説明した通り「食いしばり」や「噛みしめ」は顎の筋肉や首の筋肉に大きな負担を与えます。
舌はがしによって舌を本来の位置に戻してあげることによって頭蓋骨が安定化し「食いしばり」や「噛みしめ」が減っていくのです。
「食いしばり」や「噛みしめ」の癖はないと思うけど・・・
という方でももし
「下の位置が下がっている」
「ついつい口呼吸になっている」
「朝起きた時首コリを感じる」
「朝起きた時耳鳴りや耳の詰まりが強く感じる」
ということであればぜひ試してみてください。顎の周りがすっきりしますよ。
最強の舌はがし実践編
さんざん引っ張った実際の舌はがしの方法ですが「舌」の舌をほぐします。
上記イラストのように「舌」を持ち上げ人差し指を下の下に入れ込みます。この時できるだけ奥まで入れてください。
初めはオエっとなるかもしれませんが慣れます。
そしてゆっくり砂をかくようにほぐします。
奥から手前までゆっくり時間的には奥10秒、真ん中10秒、手前10秒という感じで3往復ほどゆっくりやってください。
片側を行ったら反対側もです。
いかがでしょうか?舌はがしを行うと顎関節症の方でも顎の痛みが減ったり顎の周りがすっきりする感覚を味わえると思います。そしてこれを続けると下の位置が上がって頭蓋骨をしっかり支えてくれる本来の位置に戻ります。まずは一週間試しにでもやってみてください。
この舌はがしは石塚ひろみさんの書籍「なんとなく不調」がすっきりする 舌はがし健康法という書籍を参考にしています。
もっと詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。健康法系の書籍ですがとても読みやすく面白い本です。
まとめ
この記事では顎関節症と突発性難聴の関連について解説しセルフケアの舌はがしの方法もご紹介しまたがいかがだったでしょうか?このセルフケアは難聴や顎関節の症状がない方でも
「下の位置が下がっている」
「ついつい口呼吸になっている」
「朝起きた時首コリを感じる」
「朝起きた時耳鳴りや耳の詰まりが強く感じる」
これに当てはまるようであればぜひ行っていただきたいセルフケアです。
突発性難聴を発症しステロイドによる治療を行ったけど回復が見られないという場合はぜひ鍼灸治療を検討してみてください。鍼の副作用というものはありませんから病院の治療と併用も可能です。
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