突発性難聴の症例集
突発性難聴でお悩みの方のため症例を一部公開しています。
症例一覧
突発性難聴による低音の聴力低下。水の中にいるようなつまり
来院情報
30代女性
2020年8月来院
施術回数8回
症状
- 発症から2週間で来院
- 低音が聞こえにくい(左)
- 水の中にいるようなつまり
来院の2週間前から突然消え声の悪さと耳の詰まり感が現れた。翌日耳鼻科へ行くと突発性難聴と告げられステロイドとビタミン剤が処方された。
最近仕事で残業が多く夜遅くまで仕事をしたせいで睡眠不足も続いたとのことだった。
10日ほど薬を飲んだところ低い音が全く聞こえない状態からかすかに聞こえる程度に回復した。しかし耳の詰まり感も強く酷いときには水中にいるような感じで耳の不調によって体調もすぐれないとのことだった。
施術と内容
触診すると左の首と側頭部の緊張が強くみられた。
仕事がデスクワークで常に首の付け根は気になっていたとのことだった。
首の緊張を緩める背中のツボ、腕のツボ、首のツボに鍼を行った。次に横向きで側頭部の緊張が強いツボにも鍼をした。
施術後から耳の詰まりが半分くらいに減少し体が楽になったとのこと。
2回目
耳の詰まり感は半分くらいになった。しかし音は聞こえにくい。
同様の施術を行う。
4回目
3回目の施術後から耳の詰まり感がすっきり消えているときが出てきた。つまりが減ってきたからなのか聞こえもいいような気がするとのこと。
6回目
病院で聴力検査を受けたところ聴力はほぼ回復していたとのこと。まだ朝方の耳の詰まりが気になるとのことから顎の緊張を緩めるツボも追加し鍼施術を行った。
8回目
朝の詰まり感も気にならないとのことで施術を終了とした。
まとめ
普段からデスクワークで肩首の緊張が強い状態だったと考えられそこに残業が続き筋肉の緊張がピークに達し耳にまで影響を及ぼしてしまった症例です。病院では薬を出すだけで首コリや肩こりはチェックしません。今回は特に首コリを緩めることで耳の血流が改善していき耳の詰まり感が改善し聞こえも良くなっていった。発症してから2週間で鍼施術を開始できたことも良かった。
聴力の低下とめまい
来院情報
50代女性
2021年10月来院
施術回数12回
症状
- 発症後一カ月経過後来院
- 耳鳴り+ めまい+
- ステロイド鼓室内注入療法
元から疲れてくると耳鳴りやめまいを感じていた。
来院一カ月前に耳をふさがれているような感覚が現れ常に「ボー」や「ゴー」という耳鳴りが現れた。さらに人との会話も聞き取り難いと感じたため耳鼻科に行った。
様々検査を受けたが異常はなしと言われた。次の日になっても症状が治まらないので違う耳鼻科に行くと突発性難聴ではないかと告げられ「アデホスコーワ顆粒、メチコバール錠」が処方された。
翌日からめまいも現れはじめた。
薬を飲み終わった頃にはめまいは落ち着き耳鳴りも少し楽になっていたが聴力はあまり変化なし。その後「ステロイド鼓室内注入療法」もあると告げられ試してみたが改善はなかった。
施術と内容
薬や注射でも良くならなかったため不安を強く感じておられた。
「鍼で行うのは耳の血流をよくすること」「まず5回受けていただき変化が現れるか確認していただくこと」を告げ施術を開始した。
本人は肩こりや首コリの自覚はないとのことだったが首の付け根には強い緊張が感じられた。
首の付け根の緊張を緩めるためふくらはぎのツボ、背中のツボ、首のツボに鍼をした。さらに首前面の筋肉の緊張も強くあったため手足のツボを骨はがしの手技を行い緊張を緩めた。
施術が終了すると耳に変化はなかったが体が軽くなった感じがするとのことだった。
3回目
常にあった耳の不快感が治まるタイミングが出てきた。しばらくするとまた不快感が現れるが常にあった不快感がすっと消えるとこれは治るのではないかとうれしくなったとのこと。
またテレビの音や車で音楽をかけている時すこしだが聞きやすい感じがするとのことだった。同様の施術を行う。
6回目
テレビの音や男性の声が響くようなときが出てくる。常にあった耳の不快感は半分以下になったとのこと。
8回目
耳鼻科にて聴力検査を行ったところ聴力が上がっていた。仕事が重なり疲れが溜まってくると音が響いたり、聞こえが悪いときがある。
12回目
耳の不快感もほぼなくなり日常生活で会話をしても聞こえにくい感じはほとんどなくなった。電話も大丈夫とのことから施術を終了とした。
まとめ
本人の自覚はなくとも触ってみると首の付け根や首の前面の筋肉に緊張が現れていることはとても多い。この症例ではこの首コリによって血管が圧迫され耳の血流障害が起こり難聴に至ったと考えられる。
「聞こえなくなってしまうのでは」と不安を感じている様子が分かった。結果的には2,3回目の施術の時点で良い兆候が表れたため、回数を重ねることで改善に向かった。
耳の詰まりと頭痛、男性の声が聞きにくい
来院情報
30代男性
2020年11月来院
施術回数7回
症状
- 2ヵ月前に発症
- 低音が聞こえにくい
- こもった感じ
- 換気扇などの機械の音が雑音に聞こえて辛い
頭痛と右耳の耳鳴りと詰まりを感じて翌日耳鼻科を受診。突発性難聴と診断されステロイドとビタミン剤が処方された。
一週間後聴力検査をしたところ少し聴力が回復していたがいまだに聞こえは悪く、耳の詰まりが続いている。
耳の詰まりが強くこもっている。男性の声が聞きにくくエコーがかかったように響く時もある。換気扇やコピー機など機械の音が普段と違って嫌な音に聞こえる。初めの頃に感じていた頭痛は治まりつつあった。
施術と内容
首を触ると強いコリ感がある。顎の緊張も強く感じられた。
食いしばりの癖があり顎がガチガチになっている自覚があったとのこと。
初めに顎の緊張を緩めるため舌はがしの施術を行った。すると顎の周りが軽くなり耳のつまりが幾分か軽減した。次に顎の緊張を緩める背中のツボと手のツボに鍼を行った。顎の緊張が緩んだことを確認した。
さらに首コリを緩めるため背中のツボ、首のツボに鍼を行った。すると耳のつまり感がさらに軽減した。
2回目
耳の詰まり感は翌日まではよかったが戻ってきて来たとのこと。
初回と同様の施術を行うと耳の詰まりは9割ほど軽減した。
3回目
耳のこもった感じは初めの半分くらいになった。男性の声がエコーがかったような聞き取りにくい感じが減っているとのこと。
5回目
聞こえがほとんど元に戻った。会社で人と会話をしてもスムーズに聞き取れ相手に聞き返すことが無くなった。
7回目
5回の施術で聞こえはほぼ戻ったが体調によってエコーがかかったような感じになるため2回施術を行ったが違和感も出なくなってきたため施術を終了した。
まとめ
顎の緊張と首のコリが突発性難聴の回復を妨げていた症例です。顎の緊張が強いと顎を動かしたときの衝撃が耳へと伝わりやすくなり難聴の回復を妨げる。首コリを緩め血流を改善するのと同時に顎の緊張も緩めることで発症後2ヵ月経過した時点でも難聴の回復が見られた。
全く聞こえない難聴、キーンという耳鳴り
来院情報
40代女性
2021年11月来院
施術回数10回
症状
- 発症から3週間で来院
- 重度の難聴(右)
- 「キーン、キーン」という耳鳴り
来院の3週間前に強い耳鳴りと難聴が起こった。翌日病院へ行くと聴力の低下が確認された。
2日後の朝めまいと耳が全く聞こえない状態になり再び病院へ行くと大きい病院を紹介された。聴力はさらに落ちており2週間の入院となった。
点滴による治療を受け多少聞こえるようになったが高い音は反響して耳に痛みが出る。「キーン、キーン」という耳鳴りはまだ続いている。
施術と内容
耳の周辺の筋肉の緊張をチェックすると右側の側頭部や右側の首の付け根のポイントに強い緊張が見られた。
首の緊張を緩める背中のツボ、首のツボに鍼を行い、側頭部の痛みが強いポイントにも鍼による刺激を行った。
すると「キーン、キーン」となっていた耳鳴りが少し軽減しているとのことだった。
2回目
一回目の施術後耳鳴りが強くなったが翌日には収まった。すると高い音を聞くと出ていた痛みが軽減していた。
3回目
「キーン、キーン」という音は小さく「キーン」という音に切り替わり不快感が治まった。
反響して痛みが出る症状も反響は続いているが程度は治まり痛むほどではなくなった。耳の不快感が大分治まってきたことで日常生活が楽に過ごせるようになったとのことだった。
6回目
耳鼻科にて聴力検査を受けたところ聴力はほぼ回復していた。
まだ高い音が不快に聞こえるときがあるとのことで施術を継続。
10回目
高い音の不快感も起こらなくなったため施術を終了することとなった。
まとめ
5回程度の施術で聴力はほとんど改善。高い音の不快感が残ったためその後の施術で改善を図った。
高い音や大きい音が不快に感じる症状も首の筋肉の緊張から来ていることが多くある。首のコリの左右の差をしっかり確認しピンポイントで施術を行うことで改善された。
難聴は改善したが残った耳の詰まり
来院情報
60代女性
2023年9月来院
施術回数3回
症状
- 発症から2週間で来院
- 聴力は病院の治療で改善
- つまりが残った
朝起きると強い耳の詰まりを感じた。半日しても症状が続くため耳鼻科を受診。
「中程度の難聴」と告げられステロイドとビタミン剤が処方された。
一週間ほどして耳鼻科を受診すると聴力は改善していたが耳の詰まり感は残ったままだった。血流をよくする薬を処方され飲んでみたが改善せず。何か方法はないかインターネットで検索したいたところ当院のHPを見つけ来院された。
聴力は回復したが耳の詰まりが残っている状態だった。
施術と内容
首のコリをチェックすると肩、首ともに緊張が強い。
日頃からデスクワークで辛さを感じていたとのことだった。
首の緊張を緩める背中のツボ、首のツボ、耳のツボに鍼を行った。するとつまり感が半減した。
側頭部や顎をチェックし関連するツボに鍼を数か所行った。
2回目
初回よりつまりは軽減。朝起きると強く感じる。
同様の施術に加え顎の緊張をゆるめる舌はがしを行った。
3回目
殆どつまりを感じるタイミングはなくなった。起床時のつまりも感じないとのこことから施術を終了することにした。
まとめ
内耳周辺の筋肉の緊張を緩めることで血流が改善して来ると耳の詰まりも軽減することが多い。
しかし耳の詰まりも時間が経過してしまうと症状が固定してしまう。鍼治療も早めに開始できたことが改善に繋がった。