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アロマで突発性難聴にアプローチ:鍼灸師が教える効果的なリラックス法

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名前 渡部 青雲 郡山市の空鍼灸院 院長 国家資格 はり師・きゅう師 自律神経症状の改善に力を入れています。このブログでは自律神経の乱れによって起こる様々な症状の解説やセルフケア、実際の症例など紹介します。
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統計データによれば突発性難聴は年々増加傾向にあります。この記事では、アロマセラピーが突発性難聴に対してどのようなサポートを提供できるかに焦点を当てます。またストレスの緩和や精神安定に効果的と言われるオイルの特徴や効能について解説し、簡単に行えるセルフケアもご紹介します。

 

突発性難聴とは

突発性難聴は、突然片耳(まれに両耳)の聴力が急に低下する感音難聴の一種で、原因は様々な説があります。あるとき突然「人の声が聞きにくい」「電話をしていたら聞こえなくなった」など突然聴力が低下してしまうのが特徴です。症状は様々で耳が全く聞こえなくなったり多少聞こえるけど耳鳴りがするなど個人差があります。

発症後に病院で治療を行っても完治するのは全体の30%と言われており改善が難しい難治性の病気と言われています。

突然聴力が落ちた、耳がおかしいと思ったらすぐ耳鼻科へ受診する必要があります。

突発性難聴の症状

  • 聴力低下
  • 耳鳴り
  • めまい、吐き気
  • 耳閉感(つまり感)
  • 音割れ

めまいが強く起こったり、めまいは無いけど聴力の低下が著しい場合など程度は様々です。

突発性難聴の原因

音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。e-ヘルスネット

検査をしても聴力が低下しているということが分かるだけでそれ以外の異常が見られないことからはっきりした原因は分かっていません。しかしもっとも有力視されているのが有毛細胞に血液を送っている血管の血流が悪いことによって起こるのではないかという説です

体の血流が悪くなる原因は自律神経の乱れ、体の疲労、ストレス、冷えなどが考えられます。

 

突発性難聴とアロマの関係

アロマオイルのビン2

耳の症状は突発性難聴に限らずストレスと関連が深いとされています。アロマテラピーはリラックス効果によるストレス緩和や精神安定に効果的とされマウスによって耳の症状に対する実験などが行われております。また突発性難聴は急激に聴力が失われてしまうという症状の性質上、恐怖心や身体的負担も加わり、精神的なストレスをもたらします。そのようなことから突発性難聴の症状の改善だけでなく精神的なリラックス効果やストレス軽減の可能性が注目されています。

 

突発性難聴の改善にはリラックス効果が重要

好きな匂いを嗅ぐと心が落ち着いたという経験は誰でもあるのではないでしょうか?

アロマテラピーは特定の香りを嗅ぐことで成分が鼻から脳に伝わり、自律神経に影響を及ぼします。それが体や心にリラックス効果や安心感をもたらしてくれます。

突発性難聴を発症してしまった患者様にお話を聞くと「最近仕事が詰まっていて休む暇がなかった」「遠く離れた娘の家で孫を子守していた」など強いストレスを抱えやすい生活をしているという印象がります。突発性難聴の改善にはストレスを緩和させるということもとても重要なことです。ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを使用することで心地よい香りが緊張を和らげ、リラックス効果を与えてくれます。

 

突発性難聴によるストレス軽減・不安と孤独感

突発性難聴を発症してしまうと症状によるストレスもあります。

「耳鳴りがこのまま治まらなかったらどうしよう」

「耳鳴りで眠れない」

「耳の詰まり感が強く不快感がある」

「難聴のせいで疲労感が取れない」

「会話をするとき聞き返してしまうことが多く会話が億劫」

など症状や程度はそれぞれですが難聴で悩まれている方は病気の性質上、ストレスや不安を抱えます。見た目でわかる病気やケガとなると周りは心配してくれますが耳の症状となると見た目は一見普通ですからどうしても孤独感が強くなります。ラベンダーオイルは鎮静作用があり、ローズマリーやユーカリは気分を向上に影響を及ぼすとされています。

アロマの選択とその効果

ラベンダー(Lavandula angustifolia)

  • 効果: 鎮静作用があり、リラックスやストレス軽減に寄与する。
  • 利用方法: アロマディフューザー、蒸気吸入、マッサージオイルに使用。

カモミール(Matricaria chamomilla)

  • 効果: 抗炎症作用があり、鎮静効果も期待される。
  • 利用方法: 蒸気吸入、アロマディフューザー、希釈して耳のまわりにマッサージ。

ティーツリー(Melaleuca alternifolia)

  • 効果: 抗菌・抗炎症作用があり、耳の清潔を保つ助けになる。
  • 利用方法: 希釈したものを耳のまわりに塗布(注意が必要なので慎重に行うこと)。

ペパーミント(Mentha × piperita)

  • 効果: 冷却効果があり、耳の痒みや腫れを和らげる可能性がある。
  • 利用方法: アロマディフューザー、蒸気吸入、希釈して耳の後ろにマッサージ。

フランキンセンス(Boswellia carterii)

  • 効果: 抗炎症作用があり、リラックス効果も期待される。
  • 利用方法: アロマディフューザー、蒸気吸入、希釈して耳のまわりにマッサージ。

アロマテラピーは個人差があるため使用する際はパッチテストを行ってから利用してください。また耳の周辺にオイルを使用する場合は慎重に行い異常が現れないか確認してから使用してください

 

突発性難聴にアロマを使用した場合に期待できる効果

  • 主にはリラックス効果による血流の改善
  • 鎮静作用による睡眠の促進

主にはリラックス効果による血流の改善

アロマのリラックス効果は、嗅覚を通じて脳に働きかけ、ストレスホルモンの分泌を抑制し、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。これにより、心拍数が安定し、筋肉の緊張が緩和され、血行が改善が期待できます。また一部のアロマオイルには血行促進作用(ローズマリー、ジンジャーなど)があり、温かみのある香りは血管を拡張させます。総じて、アロマのリラックス効果が血流改善に寄与し、ストレスによる血管収縮を和らげる効果が期待されます。

 

突発性難聴の改善には睡眠が重要!!

突発性難聴でお悩みの方に必ず聞く質問があります。

「最近寝れていますか?」

というものです。突発性難聴の聴力の改善に睡眠時間はとても重要な要素となるからです。しかし突発性難聴を発症してしまうと耳鳴りや不安感、耳の違和感などでなかなか寝付けないという方もいらっしゃいます。7時間しっかり睡眠をとっていただくことは耳の音を伝える細胞の回復に重要な要素です。

ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルは、その穏やかな香りはリラックス効果があり、安眠を促進するとされています

 

突発性難聴に対するアロマオイルの利用方法

  • ディフーザーでお部屋に拡散させる
  • オイルを希釈し耳の裏・首筋・顎周辺をマッサージ

アロマディフューザーを使う

アロマディフューザー

ディフューザーを使うことによりお部屋でアロマを楽しむことができます。

アロマオイルは上記のアロマを参考に好みの香りを使用してください。ブレンドしたりバランスを調整し好みの香りを見つけるのも楽しみ方の一つです。

自然な香りを部屋に拡散させ、リラックス効果や睡眠の促進に効果的です。日中のストレスや耳の不快感、難聴の不安が軽減され、夜間の安眠をサポートしてくれます。

アロマオイルを使ったマッサージ

アロマオイルのマッサージ

精油をマッサージなど直接肌に使用する場合は必ずホホバオイル、マカダミヤオイルなどで希釈して使用してください。

マッサージオイルについて詳しい記事はこちら

 

アロマオイルを使った突発性難聴のマッサージ

アロマオイルを使った突発性難聴のマッサージ1
①耳の裏に希釈したアロマオイルを塗ってください。はじめは耳の裏から人差し指と中指二本で上下にこする様に心地位くらいの圧で刺激してください。ゆっくり10往復ほど行います。

アロマオイルで突発性難聴マッサージ2

②耳の穴から指一本ほど前にある聴宮というツボを押します。耳の穴から指一本ほど前に行ったところにくぼみがあり一番痛いとこがあればそこを中心にここちよい程度の圧で円を描くようにマッサージします。この時アロマオイルが耳に絶対はいらないようにしてください。

アロマオイルを使った突発性難聴のマッサージ下関のツボ

③聴宮から指二本分前の辺りに口を開けるとくぼむポイントがあります。ここが下関です。ここは顎のツボで突発性難聴の鍼灸治療でも多く使われるツボです。このツボも心地よい程度で円を描くようにほぐしていってください。

アロマオイルを使った突発性難聴のマッサージ胸鎖乳突筋

④顎の周りの次は首筋です。耳の裏から鎖骨まで伸びている胸鎖乳突筋を人差し指と親指でつまみ上から下までゆっくりと上下させます。これは5往復ほど行ってください。胸鎖乳突筋イラスト

胸鎖乳突筋が分かりにくい場合はこちらのイラストを参考にしてください。この筋肉はPC作業や長時間のスマホ操作でコリやすい筋肉で突発性難聴と関連がとても強い筋肉です。ゆっくりとほぐして下てください。

突発性難聴のアロマオイルを使ったマッサージの解説

⑤最後にゆっくり耳たぶのふちをつまんでください。下から上まで二往復ほど行ってください。この手技もオイルが耳の穴に入らないよう注意してください。

まとめと注意事項

突発性難聴の概要からアロマの効能、突発性難聴とアロマの関連について解説し具体的なセルフケアもご紹介しましたがいかがだったでしょうか?

アロマオイルを希釈するのはちょっと大変という場合は乳液やマッサージオイルなどで代用して行っていただいて構いません。アロマはディフューザーで炊き香りを楽しめばいいのです。

注意事項

  • マッサージオイルは絶対に内耳に入らないように注意して行ってください。
  • 発症直後は耳周辺が敏感になっていることが多いです。発症後1週間か2週間ほど経過してから開始してください。
  • 万が一耳鳴りやつまり感が強くなった場合は中止してください。刺激が強すぎると起こりやすいです。
  • アロマオイルは効果効能を見て好みのものをしようして大丈夫ですが妊娠中には注意が必要な物もあります。よく確認してご使用ください。

上記の注意事項を確認の上、ゆっくり心地いい程度の圧で行ってください。

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突発性難聴の鍼灸症例集

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名前 渡部 青雲 郡山市の空鍼灸院 院長 国家資格 はり師・きゅう師 自律神経症状の改善に力を入れています。このブログでは自律神経の乱れによって起こる様々な症状の解説やセルフケア、実際の症例など紹介します。
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