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突発性難聴になったら運動は大丈夫?危険な運動と効果的な運動

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名前 渡部 青雲 郡山市の空鍼灸院 院長 国家資格 はり師・きゅう師 自律神経症状の改善に力を入れています。このブログでは自律神経の乱れによって起こる様々な症状の解説やセルフケア、実際の症例など紹介します。
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この記事では突発性難聴を発症してしまい治療を受けながら運動をしてもいいのかという疑問にお答えしていきます。耳周辺の血流改善のためウォーキングなどの有酸素運動は悪化するリスクも少なく血流改善を期待できるためとても効果的と言えます。

突発性難聴とは

突発性難聴は急に片側の聴力が低下してしまうものではっきりした原因がわからないものと突発性難聴と言います。

殆どの場合片側で起きます。急に「電話の音が聞こえなくなった」、会話をしたら「話が聞き取りにくい」など何の前触れもなく突然起こります。全く聞こえなくなったり、少し音は聞こえるけどはっきり聞こえないなど障害する程度は様々です。一般に30代から60代までに多いとされ男女差はありません。

突発性難聴は早期の治療が開始が望ましく、2日以内に治療を開始するのが理想です。

 

突発性難聴の症状

  • 聴力低下
  • 耳鳴り
  • 耳の詰まり
  • めまい
  • 聴覚過敏

聴力低下だけでなく多くの場合耳鳴り、耳の詰まり、めまいなどを伴います。程度によってこれらの症状は日常生活に影響を及ぼすため精神的、身体的ストレスを伴う場合もあります。

多くの場合、突発性難聴が起こるのは一度だけで繰り返すことはないとされています。

 

突発性難聴の原因

耳のイラスト

音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。e-ヘルスネット

  • ウイルスによる感染症説
  • 内耳の血管障害説
  • 自己免疫説
  • ストレス説

などさまざま原因が指摘されていますがもっとも有力視されているのは「内耳の血流障害説」です。

耳周辺の筋肉の緊張が強くなり内耳周辺の血管が圧迫されることで内耳に血流が届きにくい状態になります。すると蝸牛(かぎゅう)というカタツムリのような形をした器官の中にある有毛細胞が損傷を受け聴力が下がるという流れです。

 

突発性難聴と運動

ヨガをしている女性

突発性難聴を発症した場合激しい運動は避けてください。ステロイドの治療を行う期間は(10日~14日間)は治療に専念し体をゆっくりと休める必要があります

どうしても運動を行いたい場合は軽い有酸素運動を行いましょう。

突発性難聴の治療中に運動するメリット

  • 有酸素運動を行うことで全身の血流改善が期待できる
  • ストレスを発散させることができる
  • 自律神経が整う

突発性難聴の発症直後は避けステロイドの治療が終わってから運動を開始するのが無難です。

全身の血流をよくしてくれる軽めの有酸素運動がおすすめです。ウオーキング、ランニング、エアロビクスなど

突発性難聴の治療中に運動するデメリット

  • 過度に運動するとめまいや耳鳴りが強くなる場合があります。
  • 水につかるなど耳に負担がかかるスポーツも症状が悪化する可能性があります。

個人差があり激しい運動を行っても大丈夫な場合もありますが激しい運動はストレスを避けるためにも控えるのがおすすめです。水泳は有酸素運動で推奨される場合もありますが水泳は注意が必要です。

 

突発性難聴の治療中にこの運動は大丈夫?種目別

ここからはそれぞれの種目別に注意する点などをご紹介していきます。どのスポーツをする時も同じですが水分はしっかりとるようにしましょう。

突発性難聴に症状が似ている「メニエール病」という病気の治療法として「水分摂取療法」というものがあります。

耳の奥の内耳は血液や水分が滞りやすいため多めの水分を摂取して水分代謝を良くするというものです。

具体的には男性なら一日あたり2.0~2.5リットル、女性なら1.5~2.0リットルの水分を食事とは別に摂取するというものです。

メニエル病で悩む患者さん122人に行った調査では9割の方がめまいを全く起こさなくなったと報告されています。さらに調査を行った約3割の方に聴力の改善が見られたとされています

このことから耳の中の内耳の血液や水分を循環しやすい状態にするには水分の摂取がとても重要だということが分かります。運動しても体が脱水状態にならないようしっかり水分を取りましょう。

 

突発性難聴でランニングは?

発症直後は避けステロイドの治療が終了してから始めるのが無難です。

初めはゆっくりとしたペースで始めましょう。体に極端に負荷がかかるようなランニングをしてしまうとめまいが出たり、耳鳴りが強くなってしまうことがあります。しかしランニングは有酸素運動で体の血液循環を促進してくれますからとてもいい運動です。しっかりと水分を補給しながら行ってください。運動後も多めに水分を補給してください。

 

突発性難聴でウオーキングは?

ウォーキングもとてもいい運動です。だらだら歩くのではなく、できれば少し汗ばむくらいまでのペースで行いましょう。そのときしっかり両手を振って歩きましょう。あまり大げさに行う必要はありませんが両手を振ると肩や首の筋肉も使用するため肩こり解消や血流改善に役立ちます。

ウォーキングも有酸素運動です。しっかりと水分を補給しながら行ってください。

 

突発性難聴で水泳は?

水泳は有酸素運動ということで耳鼻科でも推奨しているところがあるようですが水泳をしたら耳鳴りやつまりが酷くなり症状が悪化してしまったという話をよく聞きますので注意が必要です。どうしても行いたい場合は耳栓をするようにしましょう。

また飛び込みや潜水は鼓膜に負担になる場合がありますので行わないでください。上がった時は耳の中の水分を残さないようにしましょう。

また耳抜きと呼ばれる鼻をつまんで「ンッ」力をいれる方法は内耳に急激な圧がかかるため行わないようにしてください。

水中ウォーキングは耳を水中に入れるわけではありませんので積極的に行って大丈夫です。

 

突発性難聴でダイビングは?

ダイビングはもともと耳の障害を起こしやすい傾向があります。鼓膜に水圧がかかるため耳の痛み、中耳炎、耳の詰まり、めまい、難聴を起こしやすいのです。バルサルバ法という鼻をつまんで「ンッ」と力んで耳管を通す方法は中耳に急激な圧力がかかり症状悪化の恐れがあります。

ダイビングは突発性難聴が改善されるか症状が落ち着くまで行わないようにしましょう。

海のスポーツでサーフィンもめまいが強く出る可能性があり危険です。

 

突発性難聴でサッカーは?

楽しむ程度で行うなら問題ありません。サッカーもかなりの運動量があるスポーツですから過度な負担は注意してください。めまいが起きたり気分が悪くなることがあります。行う際は水分をしっかりとって行いましょう。楽しいスポーツはストレス解消にもぴったりです。

 

突発性難聴でサイクリングは?

ゆっくりとしたスピードから始め、気分が悪くなったり、めまいなどが起きないか確認してから楽しんでください。はじめは人や車が少ないサイクリングロードなどから試すのがおすすめです。水分もこまめに補給しましょう。

突発性難聴が治りきらないうちに丈夫だからとペースを上げ追い込み過ぎるとめまいを起こしたり気分が悪くなる可能性もありますから注意してください。

 

突発性難聴で登山は?

登山もいい運動になると思います。上り坂は下半身に負荷がかかり全身の血流が良くなりますからとてもいい運動になります。ただあまり標高が高い山は避け低めの山から始めるのがおすすめです。標高が高い山は体に負荷がかかったり気圧の変化で耳に負担をかける可能性があります。

登山で注意が必要なのは水分補給です。

女性の方でトイレが心配だから水分補給を控えるという方がまれにいらっしゃいますが絶対にやめましょう。突発性難聴がある場合は特に水分補給が重要です。事前にトイレがあるところを確認したりトイレキットを持ち込み水分はこまめにとるようにしてください。

 

突発性難聴で筋トレは?

筋トレも過度な筋トレは注意が必要です。自宅で負荷なしで腕立て伏せやスクワットを行う程度であれば負荷はそこまで大きくないため積極的に行って大丈夫です。

しかしジムでマシンを使って筋トレとなると負荷は上がります。高重量を扱う筋トレは肉体的な疲労という点だけでなく力いっぱい力むため内耳に負荷がかかり、運動後めまいや、耳鳴りの悪化の可能性があります。

ステロイドの治療を行っている期間は休む必要があります。どうしても行いたい場合は軽めの重量で済ますのがおすすめです。

また筋力トレは下半身のトレーニングでも上半身のトレーニングでも首にかなりの力が入るため首の筋肉の緊張に注意が必要です。運動後はしっかりストレッチや首のほぐしなどを行いましょう。首の筋肉のコリは内耳の血流障害に繋がるからです。

 

突発性難聴で運動以外に気を付けるべき生活習慣

家の中

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ストレスを避ける

過度なストレスは突発性難聴の治療を妨げてしまいます。ストレスを受け続けると自律神経が乱れ血管が収縮して体の血流が悪くなります。具体的には家庭内の事情、心配事、仕事、などさまざま考えられますが治療中は避けるかもしくはしっかり解消するといった手段をしっかり考えましょう。

また突発性難聴の症状の聴力低下、耳鳴り、耳の詰まり感は精神的にも身体的にもストレスが溜まります。普段よりストレスを抱えやすい状態になります。

上記の運動を行う、好きなことを行うなど上手に付き合う必要があります。

 

生活習慣を見直ししっかり睡眠をとる

突発性難聴の原因の一つの説として睡眠不足があります。睡眠不足が続くと肉体的、精神的にも疲労します。生活習慣を見直し睡眠時間を確保するのが重要です。

また突発性難聴によって傷ついた音を拾う細胞の回復にも役立ちます。傷ついた体の組織の回復には十分な睡眠が重要です。

睡眠不足の解消はストレスの解消にもつながります。睡眠をしっかりとることは肉体的な疲労回復はもちろんですが脳も休息し自律神経を整えストレスを緩和してくれます。

 

突発性難聴は体のサイン

突発性難聴の鍼灸治療を行っていると突発性難聴を発症する方に多い共通点として精神的、肉体的に疲労を貯めている人が多いという印象があります。

突発性難聴を発症してしまったら仕事はセーブできるならセーブすることをお勧めします。育児も協力してくれる方が居れば協力を仰ぎましょう。

【病院の治療だけで改善が見れらない場合はご相談ください。】

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突発性難聴の鍼灸症例集

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