突発性難聴改善のため温めると効果的な3つのポイント
突発性難聴は1993年に厚生省研究班が行った調査では推定、年間24,000人で、人ロ100万人に対して192人でした。2001年の調査では推定、年間35,000人で、人ロ100万人に対して275人と増加していることが分かります。そして現在も増加傾向にあり以前は40代から60代に多い傾向にありましたが現在は30代から60代まで発症しやすい年齢で若い人でも発症するようになってきています。
この記事では突発性難聴の概要と温めると突発性難聴に効果的な3つのポイントをご紹介します。
突発性難聴とは
突発性難聴とは急に方耳だけ聴力が低下もしくは失われてしまう病気のことです。特徴として病院で検査をしても聴力の低下以外、異常がみられない。難聴の原因がはっきりわからないことが特徴です。早期に治療を開始することが重要ですが早期に治療を開始しても病院の治療で完治するのは全体の3割程度と言われています。
突発性難聴の症状
- 聴力低下
- めまい
- 耳鳴り
- 耳閉感など
難聴は何の前触れもなく表れ聴力が低下してしまう周波数や程度も様々です。突発性難聴など耳の症状は経験している方が少ないこと、他人がぱっと見ただけでは異常は見られないことからいまいち症状が理解されないという点もあります。
代表的な突発性難聴の症状は聴力低下や、めまい、耳鳴りですが突発性難聴の症状によるストレスもある意味症状の一つと言えます。
突発性難聴の原因
音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。e-ヘルス
原因は耳の中にある蝸牛(かぎゅう)とよばれる組織の中に存在し、脳に音を伝える役割を持っている有毛細胞が何らかの原因で損傷することで難聴が起こるとされています。
有毛細胞が損傷する原因として様々な説がありますがもっとも有力視されているのが内耳の血流障害です。
耳周辺の血流が悪くなることによって蝸牛の中にある有毛細胞が損傷を受けてしまうのです。
突発性難聴で温めるのは効果的なの?
ここまで突発性難聴の概要について記載しましたがここからは温熱療法について解説します。
突発性難聴の症状の改善のためのセルフケアとして温めるのは有効なのか?
疑問に思うところだと思いますがセルフケアとしては有効です。ここからは温熱療法(温めることを温熱療法と言います)のメカニズムと突発性難聴の症状改善に温めるといい理由を詳しく掘り下げていきます。
温めることの効果
温めると体内の血流改善や筋肉のコリを緩める効果が期待できます。突発性難聴の症状改善においても血流改善が重要なためとても有益なセルフケアだと言えます。
1,血行促進と栄養供給の向上: 温熱療法は血管を拡張させ、血液の流れを増加させる働きがあります。これにより、内耳や周辺組織への血液供給が向上し、酸素や栄養素が適切に届くことで、細胞の健康が促進されます。突発性難聴では、内耳の血行不良が問題とされており、血行促進は聴力改善への重要な一環です。
2,筋肉の緊張緩和: 温熱療法は筋肉を温め、その結果として筋肉の緊張が和らぎます。特に頸部や肩の筋肉が緊張していると、これが内耳への血液供給を妨げることがあります。温熱療法を用いて筋肉をリラックスさせることで、内耳周辺の状態を改善しやすくなります。
3,ストレスの軽減: 温熱療法は心地よい温かさをもたらし、これがリラックスを促進します。ストレスは突発性難聴の発症や悪化に関与する可能性があります。したがって、心身をリラックスさせることは、突発性難聴の改善に向けた一環として重要です。
なぜ突発性難聴は温めるといいの?
温めると突発性難聴にいい理由として耳周辺の筋肉の緊張、血流障害が挙げられるからです。耳周辺の筋肉のコリ、血流障害に対し温めるというのはとても大事なことです。病院の治療でもビタミン剤やステロイドの他に血液循環を良くするお薬も処方されます。そのくらい耳周辺の血流をよくすることは重要なことなのです。
温めることで楽になる可能性がある症状
- 耳の詰まり
- 耳鳴り
耳の詰まりは耳管という耳と鼻をつなぐ細い管の周辺の筋肉の働きが弱くなることで起こる場合があります。耳周辺の筋肉にしっかり温かさを伝え緊張を緩めてあげることで筋肉の働きが正常化しつまりが改善することがあります。
耳鳴りは詰まりより治まりにくいのが特徴です。しかし突発性難聴の耳鳴りは何の原因もなく起こった耳鳴りよりは改善しやすいという特性があります。血流を良くしてあげることで緩和する可能性は十分あります。
耳周辺のコリを緩和して内耳の血流を改善
耳の周辺に向かう血管は首から脳や耳に向かって走っています。この血管のすぐ脇には多くの筋肉が存在し重い頭を支えています。
首の筋肉や耳周辺の顔の筋肉を緩めると筋肉のコリによる血管の圧迫が解消され症状改善に繋がる可能があります。
実際鍼治療を行う際も耳周辺の筋肉のコリというのはとてもよくチェックします。症状改善のため最も重要視しているポイントと言っても過言ではありません。
それくらい耳への血流というのは突発性難聴改善のためにはとても重要なのです。
ストレス軽減とリラックス効果
温める際の心地よさはリラックスを促進します。ストレスは突発性難聴の発症や悪化に関与する可能性があります。突発性難聴の場合、聴力低下だけでなく耳の詰まりや耳鳴りという症状も精神的ストレスを与えます。
突発性難聴を発症してしまったストレスや症状のストレスも温めることで緩和されます。
突発性難聴で温める際の注意点
- あくまでセルフケア
- 発症直後や腫れがある場合は行わないでください。
温めるのはセルフケアの一つ
突発性難聴は温めておけば治るという病気ではありません。まれに自然に治癒してしまう場合もあると思いますが最優先で耳鼻科の治療を受け、それでも改善が見られない場合鍼治療やセルフケアに取り組んでいただくことが大切です。
発症直後は注意です
発症直後は耳周辺が敏感になっている可能性があります。ステロイドによる治療が終了してからセルフケアを開始するのが無難です。
またステロイドの治療が終わってもまだ熱感や腫れがある場合は行わないでください。
突発性難聴で温めるといいポイント3つ
ここからは具体的に温める方法と温めるといいポイント3つご紹介します。
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1,首すじ「胸鎖乳突筋」
まず温めていただきたいのが首すじにある「胸鎖乳突筋」という筋肉。鎖骨から耳の付け根まで走っている筋肉でつまむと痛い所です。
ここを全体的に蒸しタオルで5分ほど温めましょう。このポイントは上の血管のイラストでお見せしましたが奥に血管が通っていたりして「こり」が起こると血流障害を起こしやすいポイントです。ゆっくり温めてあげてください。突発性難聴を発症してしまった側だけで十分です。
2、後頭部
後頭部の生え際です。ここは後頭下筋という凝りやすい筋肉が存在し、ツボでいうと天柱や風池や亜門という首の血流にとても重要なツボがそろっています。ここも重要なポイントですから5分ほどしっかり温めましょう。
3、耳周辺
最後にやはり耳周辺です。この辺は顎の筋肉や表情を作る筋肉が存在しておりツボ的には聴宮(ちょうきゅう)聴会(ちょうえ)という耳に関連するツボが存在するポイントです。ここも5分ほどしっかり温めます。
温める際のコツ
- タオルを水で絞ってレンジでチンします
- 500wで30秒~1分です。機種に差がありますから調整しながら行ってください。
- 温めた熱々のタオルはジップロックや薄めのビニール袋に入れると冷めにくいです。
- 火傷に注意してください。
蒸しタオルが面倒になってきたら
確かに蒸しタオルで温めるのは心地よく気持ちいいのです!!しかしこれ毎日やると面倒タオルを水で濡らして・・・しっかり絞って・・・など
世の中には便利なものがあります。
このようなレンジで温められるタイプのホットパックが便利です。温めるのに蒸しタオルより時間がかかる場合がありますがさすが専用品。温かさの持続力が違います。
突発性難聴を温める際には耳周辺ですから大きいものはいりません。小さいもので十分というか小さいものの方が首筋など細かいポイントに当てやすく使いやすいです。さらに小さいものは顔に乗せたり、目に乗せたりするのも心地よくておすすめです。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか?今回の記事では突発性難聴を温める効果と有効性につて解説しセルフケアの方法も紹介してみました。
レンジで温める際は十分火傷に注意して行ってください。また初めは蒸しタオルで試してみるのがおすすめですが温めるのがいいなと思ったら小さめのホットパックを買ってみるととても便利ででおすすめです。
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