坐骨神経痛、腰痛なら委中を押せ!鍼灸師が位置と効果を徹底解説

今回は坐骨神経痛、腰痛、膝痛に高い効果を発揮する委中と言うツボについて解説してきます。
当院では腰痛や坐骨神経痛でお困りの方を施術させていただく機会が多くこのツボを使ったセルフケアなども積極的にお勧めしています。
委中というツボの特徴を知っていただきセルフケアに役立ててください。
目次
委中穴とは?
足の太陽膀胱系に属するツボでこの場所は脛骨神経という坐骨神経から由来する神経も存在しています。
つまりは坐骨神経痛の痛みの元である坐骨神経とかなりつながりが深く坐骨神経といえば腰部から足に降りてくる神経ですから腰の症状にも影響を出すと言われています。
腰背は委中にとれ。四総穴の一つ
四総穴とは体の部位を4つに分けて治療するツボのことですが委中もその一つ。
- 腹部の病は足三里
- 腰部と背部の病は委中
- 顔面部の病は合谷
- 頭部の病は列欠
と昔から言われるように腰痛=委中というくらい代表的なツボとして位置付けされています。ですから腰痛や坐骨神経痛のセルフケアで使わない手はないですね!
委中の効果、効能
- 腰痛
- 坐骨神経痛
- ぎっくり腰
- 膝痛
- 足のむくみ
- 肉離れ
などなど主に腰部や足部の症状に対して使われることが多いツボです。
委中が坐骨神経痛に効く理由
この部分は先ほども軽く触れましたが坐骨神経に由来する脛骨神経が走るポイントに委中があることが大きく関連します。
もし針で刺針などできれば直接神経を刺激すことも可能で坐骨神経を正常な働きに促すことができます。
さらに委中の深部には膝窩筋や足底筋と呼ばれる筋肉が存在しこれらの筋肉が緊張することでそこを走る神経の働きを邪魔してしまうということも考えられます。
このことから委中の緊張をほぐすことは坐骨神経の症状緩和のために重要なポイントと言えます。
委中が腰痛に効く理由
次に腰痛になぜ効くのかというところですが足の裏の筋肉の緊張が大きく関わっていると考えています。
腰痛に悩んでいる方の多くが太ももやふくらはぎの筋肉の緊張が強いです。この委中の部分というのはそれら太もも、ふくらはぎの筋肉が集合して交差しているポイントなのです。
さらに膝裏という可動部分のため余計にストレスがかかる部分。
ですから委中の緊張を取って上げると不思議と太ももやふくらはぎの緊張も収まることが多いです。この足裏のストレスを解放してあげるとおしりや腰部の緊張も解けるという流れです。
さらに膝裏の筋肉、膝窩筋や足底筋という筋肉が緊張を起こすと膝の動きにも影響を及ぼします。膝の動きが悪くなるとそのバランスが崩れた代償は腰に波及します。
このことからも委中の緊張は腰痛や坐骨神経痛の原因になりやすいと考えています。
委中の場所、位置
膝裏の中央です。
難しく教科書的にいうと膝窩横紋の中央
筋肉は膝窩筋、足底筋
神経は脛骨神経
動脈は近くに膝窩動脈があります。
委中というツボのセルフケア
先ほども記載したように腰痛や坐骨神経痛にはこの委中というツボがかなり効果的です。
ということでセルフケアの方法ですが、手軽にできるのはマッサージ。
椅子に座って行うのが手軽。
親指を重ね膝裏の委中のポイントに当てます。
委中は膝裏のシワの中心
片手でも良いですが親指が痛くなってしまうので両手の親指を重ね圧迫してください。このときちょっとグリグリとしてマッサージしてあげるのも効果的です。
できれば片側5分ほど行ってみてください。
委中が痛い理由は?
このセルフケアをお伝えすると委中が痛いときは何か悪いんですか?
と質問されることが多いですがそのような方は単純ふくらはぎや太ももの緊張がとても強いことが多いです。
緊張が強く凝っているところを圧迫すればそれなりに痛みは出ますよね。
委中にお灸は?
また委中は腰痛や坐骨神経痛に効くツボです。と説明すると
「自宅でお灸しても効果がありますか?」
と質問されることもありますが家族のご協力があればできますし、効果的ですのでぜひやってみてください。
せんねん灸で行う場合は熱くなったら取ってしまって良いので片側3回〜5回ほどお灸してあげると効果的です。
委中に拔罐(カッピング)も良い?
これも効果的です。
元々委中というツボは瀉血という治療にも使われているツボでした。
瀉血とは針などでちょっとだけ傷つけ血を一滴、二滴ほど排出させ鬱血を取り除く治療法です。
※今は医師法の関係もあり行っているところは少ないです。
瀉血という老廃物を取り除くような治療法も効果的な委中ですから拔罐(カッピング)を行い血流を促すような治療はとても効果的です。
ただ治療の器具を揃える必要もあるため一般的にはマッサージやお灸が手軽に行えるセルフケアですからぜひ実践してみてください。