逆流性食道炎でお肉は食べて大丈夫?積極的にとるべき2つの理由

逆流性食道炎で胸やけやゲップなどを起こしている時消化の良いものとしておかゆやうどんが挙げられていますが実は炭水化物は消化に時間がかかります。
むしろ脂肪の少ないお肉やお魚の方が消化は早く胃に負担が少ないのです。そしてタンパク質は体にとってとても重要な栄養素です。
この記事では逆流性食道炎の時に注意しなければならない食生活をご紹介していきます。
目次
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎(GERD)は、胃の酸が食道に逆流する状態を指します。健康な状態でも多少の胃酸の逆流は起こりますが逆流する時間が長くなると胃酸に耐性がない食道で炎症が起こり様々な症状を引き起こします。
- 胸やけ
- ゲップ
- お腹の張り
- みぞおちの痛み
- 口の酸っぱさ
- 慢性的な咳
など症状はさまざまで程度は個人差があります。逆流性食道炎の症状はどれも不快感が強いものが多いです。
逆流性食道炎でもお肉は大丈夫?
脂肪分の少ない赤みのお肉や鶏肉はとても消化が早いため胃に負担が少ない食べ物と言えます。
一般的に消化の良いものというとお粥やうどんなどが挙げられます。しかし炭水化物は胃で分解するまで非常に多くの時間がかかるため胃に負担がかかります。
人間は雑食なので何でも食べますが消化器は肉食動物に近い構造をしています。胃液の消化酵素はタンパク質分解酵素でタンパク質は分解できますが炭水化物は滞留しやすくなるのです。お米やうどんパンなどは消化に5~8時間かかると言われています。人によっては朝ごはんで食べたものがまだ胃に残っている可能性があります。
脂肪分が多いお肉は胃もたれの原因になる
脂肪分の多い脂身のお肉は胃もたれやの原因になりやすいです。
胃腸の調子が悪いときは脂身の少ない赤みの肉、鶏の胸肉やささみがおすすめです。もちろん皮は避けましょう。
お魚も赤み肉よりは白身魚の方が消化がいいです。白身魚は脂肪分が少なくタンパク質が多くビタミンも豊富です。
逆流性食道炎でお肉を取るべき二つの理由
- タンパク質は人間にとって大事な栄養素
- 消化酵素を作るにもタンパク質が必要
タンパク質は人間にとって大事な栄養素
体のたんぱく質が減少すると貧血を起こしやすくなったり体が疲れやすくなったりします。
更に摂取量が減ってくると筋肉量が減ってきたり髪のツヤが無くなる、爪にスジが入ったり割れやすくなります。
タンパク質は体の筋肉や臓器などの栄養源ですが摂取量が少ないと新しいたんぱく質に作り替えることができず筋肉量が減少したり内臓の機能が低下し体調を悪くしやすくなります。
消化に重要な消化酵素もタンパク質が必要
タンパク質は消化際にも非常に重要です。消化液の材料は簡単に言ってしまえばタンパク質です。
例えば胃酸は塩酸とペプシンという物質でできています。胃酸の役割はたんぱく質を分解するというものですがこのペプシンの材料はタンパク質です。
タンパク質を消化するのにタンパク質が必要なのです。またタンパク質1g当たりを分解するのに必要な消化酵素は1g必要と言われていますので普段からしっかりたんぱく質を摂取しておく必要があります。
お肉は苦手という方はタンパク質不足で消化する力が弱っている可能性があります。
お肉が苦手という方はそもそものたんぱく質摂取量が少ないかもしれません。タンパク質が体内に足りていない状態が続くと消化酵素が十分に作れていない可能性があります。また胃や腸を動かすのはホルモンで指令が行われますがこのホルモンも材料はタンパク質ですから胃腸にしっかりと働いてもらうためにもタンパク質が重要なのです。
けど逆流性食道炎でお肉は抵抗がある
お肉はもともとあまり食べてなかったし抵抗があるという場合はプロテインで代用しましょう。
今は様々なフレーバーが付いており飲みやすいものが多く出ています。飲み物は消化器に負担をかけませんのでおすすめします。
一日の推奨タンパク質摂取量は結構多い
日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されているタンパク質推奨量は、18~64歳の男性で65g、女性で50gとなります。もちろんそれぞれの活動量や体格によって調整が必要ですが男性で65g女性で50g取らなければならないとなると結構大変です。おそらく日本人の普通の食事からではとれない可能性が高いです。わかりやすいたんぱく質の票がありましたので載せておきますが鶏のもも肉300g食べても48gですからお肉で取ったとしても結構な量食べなければいけないことが分かります。タンパク質不足を補うためにもプロテインは有効でメーカーなどにもよりますがプロテイン一杯で約20グラム~25グラムほど取れます。またプロテインを飲むと筋肉がついてしまうのではと心配される方もいらっしゃいますが標準摂取量程度のタンパク質だけでは筋肉は付きません。さらに高強度の筋肉トレーニングをしなければ目に見えるほどの筋肉は付かないです。ということで全く心配いりません。
逆流性食道炎でお肉を食べやすくする方法
プロテイン以外でお肉を食べやすくする方法。はスープにすることです。
食物繊維が少ない野菜は消化も良く食べやすいです。食物繊維が少なく消化のいい野菜はニンジン、玉ねぎ、大根、ほうれん草、キャベツ、白菜などです。
これらの野菜と脂身の少ないお肉など入れると食べやすいと思います。味はコンソメやトマトや中華風などバリエーションを持たせれば飽きることもありません。
逆流性食道炎の時に糖質制限はあり?
糖質制限で胸やけなどの逆流性食道炎の症状が良くなった。という声が多くあります。糖質制限とはダイエットの一種で炭水化物のご飯や麺を一切避け、お肉や野菜をメインに食べるというものです。
逆流性食道炎の方の場合「糖質制限」というほど食事制限をしなくてもご飯、麺、パンなどの主食を減らすだけで症状が軽減する方が多いです。
冒頭でも申し上げた通り炭水化物の消化には大変時間がかかり人によっては朝食べたものがお昼に残っている場合もあります。この消化に時間がかかる炭水化物を減らしてあげるだけで消化器への負担はぐっと減り症状が楽になる場合が多いのです。炭水化物を完全に食べないというのは難しいですから減らすだけでも十分に変化を実感できると思います。
例えば朝昼はパンや軽くお茶碗一杯程度のご飯で夜は炭水化物を取らないというのもいいです。炭水化物の消化には時間がかかりますから胃腸に食べ物が残っている状態で寝てしまうと消化不良を起こす可能性があります。
逆流性食道炎とお肉について良くある質問
逆流性食道炎でもお肉は食べていいの?
脂身の少ない赤みのお肉、鶏肉なら大丈夫です。お肉は胃もたれするという場合はそもそもタンパク質が少ない可能性があります。プロテインなどで補いながらたんぱく質を摂取し胃腸のチカラを強くしてあげましょう。
逆流性食道炎です。焼肉はどうですか?
焼肉は脂分が多いお肉が多く控えたほうが無難です。どうしてもという場合はヒレやミノやレバーやタンがいいでしょう。焼肉のタレが胃もたれの原因になる可能性がありますからできれば塩コショウがいいです。カルビやアルコールは禁止です。
お肉とご飯で一緒に食べていいですか?
お肉とご飯は胃での消化にかかる時間が違うため避けたほうが無難です。できれば単品で食べましょう。どうしてもという場合はご飯少な目がおすすめで良く噛んで食べてください。
参考
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